メルマガで配信しました通り、最近地震が多い気がしたので、本当にそうなのか気象庁のデータを調べてみました。
出展は(http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/)です。
まずは1997年からの全国の震度3以上の回数です。
【グラフ1】
次に、東京都千代田区の震度3以上の回数です。
【グラフ2】
最後に、大きな地震があった2000年と2011年と2016年を消したときの東京都千代田区の震度3以上の回数です。
【グラフ3】
この事実をどう捉えるかはその人それぞれですが、事実を知らずに恐れるのではなく、知ってから恐れるか恐れないかを決めればよいのではないでしょうか。
以下、メルマガの記事
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■本日の内容■
姫ちゃん、不動産投資家は地震への恐怖を科学で克服する
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こんにちは、姫ちゃんです。
今年は熊本の地震もあり、関東でも頻繁に地震が起きています。
最近、地震が多いなとそんな気がします。
不動産投資の話をするとたまに地震が怖いという意見がでます。
たしかに地震が起きたらこれまで積み重ねてきたことが木っ端みじんになるわけで、怖くないといえばウソになります。
地震が怖いという気持ちは投資家に限らず誰でもあります。
では投資家はどうやって、その恐怖心をのりこえるのでしょうか。
※具体的な対策としては地震保険に入るのが一番手っ取り早いですが、今日は対策の話ではなく、恐怖心を克服する方法についてです。
■恐怖心を克服するには科学的事実に立脚すること
恐怖というのは良くできた心の装置で、状況が不明なときに失敗しないよう、人間の行動をストップするはたらきがあります。
暗い夜道は何が出るかわからないから外出しないというように、「わからない」という状態を「しない」という停止命令に変換します。
不動産も同様に、地震が起きるかもしれない「わからない」という状態が「行動しない」という停止命令に変換されます。
逆説的に言えば、「わからない」から「わかる」状態にすれば、停止命令は発信されないということになります。
そのためには客観的、科学的な事実を知ることが大切です。
地震で言えば「本当に地震は増えているのか」を科学的事実に基づいて検証するということです。
■地震は増えているは気のせいか?
日本の観測インフラは素晴らしく、気象庁がしっかりとした震度データベースを公開しています。
(http://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/)
今回は体感できる地震として震度3以上の発生回数を元に検証してみます。
※データの連続性を保つため1997年以降のデータのみ使用しています。
まず、1997年からの全国の震度3以上の発生件数は大きな地震が発生した2000年、2011年、2016年を除いて100~300回の間です。「グラフ1」
2000年、2011年、2016年を除いた平均回数は一年あたり192回です。
平均を超えた年は20年中7年。まぁ平均値を超えるだけなので半分くらいです。
これだけ見ると、増えているのかよくわかりません。
また、体感として地震が多いなと感じているわけなので、
自分が住んでいる地域の地震件数も検証する必要があります。
そこで東京都についても同様に検証しました。「グラフ2」
東京都の場合、太平洋側の離島データの影響を受けないよう東京都千代田区を選択します。
東京都千代田区で見ると2000年、2011年、2016年を除く震度3以上の平均回数は4.59回/年です。
平均を超えた年は20年中5年です。
全国の時よりも少ない結果です。
また「グラフ3」として、2000年、2011年、2016年のグラフを消したものを見ますと
2012年の回数は多いものの、それ以外は平常通りに見えます。
まぁ、そんな感じです。
■多い気がするのはインターネットの普及による?
先に述べたのは、あくまで気象庁が観測している統計データに基づいた姫ちゃんの検証結果です。
私個人としては多くも少なくもないなという印象を受けました。
では、最近なんだか地震が多い気がするというのはなぜでしょうか。
ここからは私の勝手な仮説ですが
近年、地震が多い気がするのはインターネットの普及によるためだと思います。
インターネットの普及で「個人によるマイクロメディア」の情報拡散と「レコメンド検索」による情報表示の偏りが発生しているのではないでしょうか。
「個人によるマイクロメディア」とはツイッターやフェイスブックによる情報発信です。
インターネット普及以前はテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の報道だけが地震情報の全てでした。
しかし今は個人の情報発信のおかげでその1000倍も1万倍も関連情報を目にするようになりました。
ツイッターやSNSの普及により、自分の知り合いが震災のボランティアに行った行動を目にするので、地震を身近に感じます。
さらに「レコメンド検索」もそれを助長していると思います。
レコメンド検索とは、興味がある話題をパソコンが勝手に表示してくれる機能で便利な反面、表示される情報に偏りが生じると思います。
つまり、地震に興味があってネットの検索で調べれば調べるほど、アマゾンのオススメのように関連記事が積極的に表示されるようになるため
ますます世の中の情報が地震一辺倒に見えてしまのです。
つまり「地震が怖い」という気持ちで世の中を見ていると、「地震が怖い」という情報が重点的に届く仕組みがインターネットで構築されているということです。
こういうインフラが整ったことの影響が大きいのではないでしょうか。
■最終的な判断は自分がリスクプレミアムをどれくらい払うかによる
人間の大部分はリスク回避者だと思います。
リスク回避者とはリスクを嫌い、そのリスクを避けるためなら○○円支払っても良いと考える個人のことです。
その○○円のことをリスクプレミアムと言います。
リスクプレミアムがいくらになるかはその人によります。
ただ、情報が曖昧な状態では、リスクプレミアムはドンドン高まると思います。
だからこそ科学的客観的事実が必要なのです。
曖昧なままでは許容できなかったリスクも、科学的客観的な事実をちゃんと把握すれば許容できるリスクになる可能性があります。
ということで、ものごとが曖昧な状態で停止ているなぁと感じたら、まずは事実の把握をしてみましょう。
もしかしたらその恐怖は科学で克服することができる類のモノかもしれません。
でわでわ。