スルガ銀行が、投資用不動産向け融資の不正行為を調べるために
融資先にアンケート調査を始めました。
そのアンケートというのが・・・
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■本日の内容■
姫ちゃん、地雷だらけ!?スルガ銀行のアンケート調査は不正解明に役立つのか?
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こんにちは、姫ちゃんです。
不動産投資家であればご存知のスルガ銀行。
独自の融資基準で、アグレッシブに融資をしていたので、
通常ではなかなか融資付の難しい築古物件の売買には重宝する存在でした。
スルガ銀行の融資基準は、いろいろあるかもしれませんが
特徴的なのは、RC構造など一部の基準を超えていれば「物件価格=物件価値」とみなすことでした。
本当に言ったかどうかは別にして、
「市場でその物件が、その価格で売買されているということは、その物件の価値は価格と同じ」
という考え方に基づいていたようです。
これが不正を働く業者にとっては非常に都合の良い基準だったのです。
なぜなら、本当の価値は4000万円しかない「かぼちゃの馬車のアパート」でも、8000万円と値付けをし、実際に8000万円で購入してくれる高属性のサラリーマンがいれば、売買が成立し、そのアパートは8000万円の価値とスルガ銀行にみなされ融資がつくからです。
そのため、業者はいくらでも値段を釣り上げることができました。
スルガ銀行の融資は基本的に物件価格の9割までという基準でしたので、1億円の物件は9000万円までしか融資が出ません。
そこで登場したのが二重契約書です。1億2000万円の売買契約書を作り、スルガ銀行からその9割
すなわち、1億800万円を借り入れる。
1億円の物件価格を支払って、おおよそかかる諸費用の800万円までもカバーする、絶対にやってはいけない悪質な手口。
1億円の物件を購入する場合、自己資金の800万円も用意できない時点で、その人が購入してはいけない規模であるというシンプルな理屈がぶっ壊されるのです。
銀行が、自己資金を求めるのは理由があります。
もちろん、銀行が破産しないための基準ですが、その基準は融資した人が破たんしないためのものでもあります。
スルガ銀行にとってそのための唯一の基準が、物件価格の9割までしか融資しないというものだったのです。
それを業者と一部行員がないがしろにしていたのです。
前振りが長くなりましたが、悪質な業者とスルガ銀行の不正行為の概要はこんな感じです。
そのスルガ銀行が不正調査をするためにアンケートを実施しています。
アンケートの対象は、スルガ銀行に投資用不動産向け融資をしてもらった人です。
本当にアンケート程度で、不正行為の全容解明調査ができるのかはなはだ疑問ではありますが、アンケートの内容を見てみようと思います。
まず、スルガ銀行は、前置きとして以下のようなことを述べています。
文章自体は、姫ちゃんが姫ちゃんの言葉でサマリーしています。(原文ではありません)
「アンケートで、個別の事情を踏まえ、融資条件の見直しなど対応につなげたい」
「今回の調査に回答しても、基本的に融資してもらった投資家に、不利益が及ぶことはないと考えている」
「調査に回答しない場合、融資条件の見直し等の対象から外れるかもしれない」
てな感じで、言葉遣いは丁寧ですが、若干えらそうな感じです。(個人の感想です)
アンケートの中身は以下の5つの項目があります。
1.年収・自己資金のエビデンス資料に関する質問
2.二重契約・変更契約(金額変更の覚書)
3.レントロール
4.団体信用生命保険
5.新築の場合の建築確認
どれも、業者が不正を行ったかどうか、とともに、それを知ってたか?みたいな質問があります。
一つずつ、もう少し詳細に見ていきます。
1.年収・自己資金のエビデンス資料に関する質問
ここでは、
「年収が700万以上か」
「融資申込み時、申告した自己資金はいくらか」
「年収や自己資金のエビデンス(証拠)資料の改ざんをされたと思うか、思わないか」
「改ざんされた、されていないと思う理由は何か?(自由筆記)」
「不動産屋を経由して上記エビデンス資料を提出した人は、そのコピーを同封しろ」
という、超ストレートな質問がなされています。
要するに、投資家自身が、どれくらい上記の手口を把握していたかを問うています。
この質問に正直に答えて投資家の不利益にならないとは到底思えません。
私が知っている投資家の中には、当然、不動産業者の手口を知っている人も大勢いるわけで
要は、不動産業者とグルになっていたことを、正直に、知っていたなどといえるはずがありません。
イケテないアンケートだと思います。
2.二重契約・変更契約(金額変更の覚書)
ここでは、
「二重契約・変更契約が存在したか、しなかったか」
「もし存在したなら、そのコピーを同封しろ」
「なぜ二重契約書を作成するようになったのか経緯(自由筆記)」
ということが聞かれています。
なお、変更契約書は、契約書には1億2000万円とありますが、実際には1億円にしますよとか書いてあります。
うーん、これだって、そうですが、二重契約がある時点で、売買を行う事業者として善管注意義務みたいなものをちゃんと守っていたか問われそうです。
要するに銀行から、投資家にの過失を問われてしまわれそうな、そんな気がします。
3.レントロール
ここでは、中古物件について以下のことを質問しています。
「レントロールを見たことがあるか、見た経緯を書け(自由筆記)」
「レントロールのコピーを同封しろ」
「レントロールの改ざんがされていたと思うか、思わないか」
「改ざんされたと思う理由を詳しく書け(自由筆記)」
これも、実際の家賃収入よりも多く見せかけるために、業者がレントロールを改ざんしたかどうかを問いつつも
投資家本人が事実を知っていたかどうかも丸わかりになる質問です。
4.団体信用生命保険(団信)
ここでは団信について、以下の質問があります。
「融資時に団信に加入したか」
「健康状態について正確な告知を行ったか、行っていないか、業者に記載を委託したか」
「団信加入時、医師の診断書が必要だったか、否か」
「業者や銀行員から診断書の偽造を持ちかけられたか」
「偽造を持ちかけられた場合は、誰からどのようにあったか詳細に書け(自由筆記)」
団信加入において、正確に健康状態を告知することは、融資を受ける者の義務ですし、これを故意に違反したり、まして診断書を偽造したりした場合、投資家本人の過失も追及されかねません。
ちなみに、団信に加入できず、ローンが通らないことは、ごくたまにですがあります。
それは仕方のないことなのです。その場合は、相続人が連帯保証人になるなど、団信なしで借り入れる方法もあるわけで、不正を行うなんてもってのほかなのです。
5.新築の場合の建築確認
最後の項目はシェアハウスなどの新築について建築確認について質問しています。
「建築確認申請書、確認済証の原本を業者から受け取ったか?」
「業者や行員によって建築確認が偽造・改ざんされたと思うか、思わないか」
「建築確認のコピーを同封しろ」
「その他(自由筆記)」
建築確認とは、「アパートを建ててよいですか?」と行政に確認し、OKをもらうための手続きです。
これがOKでないと、基本的に、建てちゃだめというか、融資が出ません。
(勝手に建てちゃった大工さんとかいます。そういう物件は違法物件といわれ融資を受けられません)
アンケート5つを詳細に見てきましたが
スルガ銀行は冒頭にて「投資家に不利益が及ぶことはない」と言っておきながらも、
不正について知っていた、加担した、などをあぶりだそうとしている項目だらけで驚きです。
今回の件については、姫ちゃんは
1番悪いのは、業者
2番目に悪いのは、投資家
3番目に悪いのが、銀行
の順だと思っていますが、それでも、このアンケートの内容は、あまりに銀行側に都合の良い内容に思えてなりません。
特に自由筆記は、時系列に改ざんまでの経緯を書いていくうちに、自分でも知らないうちに不正に加担したということの証明になってしまう可能性もあります。
「投資家に不利益が及ぶことはない」と言っていても、追求できる、投資家自身の過失については、追求して損害賠償を少しでも相殺するのが「合理的な経済人(経済学専門用語)」です。
不正解明といいつつ、そういった、地雷をちりばめたアンケートを実施するというのは、なんだか誠意を感じられないと思うのは私だけでしょうか。
もうね、そもそも、カボチャの馬車のような、もうからない投資物件に手を出す人がいなければ、こういう売り方をする業者がいなくなるわけです。
そのためには、投資家自身が、ちゃんと自分で数字を読めるようになって、自分で数字を判断して、時間と労力をかけて、損しないように自衛するしかないのです。
そのための学ぶ場所はたくさんあります。学ぶ本もたくさん出ています。
姫ちゃんの本でもいいし、別の人の本でもいいし。とにかくたくさん読んで、学んで、努力して、やっと手に入るのが良い物件です。
業者が手取り足取りお膳立てしてくれるものに、良いものはありません。
改めて言いますが、良い物件の存在確率は「0.3%」です。
そんなもの、ポンポンと出るはずありませんし、出てもボーっとしてたり、情報をただ受け身で待っている人は買えません。
ちゃんと、自分から積極的に、学び、動いてください。
そのために、姫ちゃんのところでは、千本ノック、無料相談をやっています。
失敗物件を購入してからでは、対応は極めて困難になるので、失敗する前に来てください。
(無料相談だけでもいいから、セカンドオピニオンとしてちゃんと学びに来てください)
でわでわ。