姫屋ブログ


賃料逆ザヤサブリースが撲滅されるかも。

 こんにちは。姫ちゃんです。

 

 空室になっても家賃が保証されるサブリースは、全空わけありの物件(だが、とても優良な物件)に融資をつける時など、使い方を工夫すれば、それなりに役に立つものではあります。

 

 しかし、ちまたのサブリースの使われ方は、そんなものではありません。

 

大半は業者が割高に売りたい区分所有のワンルームを、不動産のことを知らない素人に売る時に、「サブリースもついてて空室でも安心ですよ」っていうセールストークに使われるだけなんですけどね。

 

 もっというと、サブリースは1回の売買で3度おいしい契約みたいです。

 

1度目は、売買で割高に売れる

2度目は、サブリースで賃料の10%程度をもらえる

3度目は、売る時に安値で買い取れる(可能性がある)

 

みたいな感じで、ガッツリと業者の養分になってもらえる素敵な商品なわけです。

(元サブリース業者勤務の役員クラス談)

 

 そんな微妙な業者のサブリースでも、決して悪いわけではなくて、ほぼ手放しで、一ミリも脳も手も動かさず、効率は悪いけど、なんとなく資産を形成するという点では、立地をちゃんと選べば使えないこともありません。

 

例えば、東京都心三区(千代田区・中央区・港区)の駅近・好立地の築浅区分でそこそこ(6%以上)利回りがあれば、税金などを加味するとちょっとした手出しは発生するものの、まぁ将来的にそこそこの資産が残ることは確かです。

 

 つまり、一切面倒なことはしたくないけど、年収が3000万円以上あって、なにかしら税金対策をしながら資産形成をしないとヤバい人にとっては、こういうサブリースも使えなくはないってことです。

 

 いいですか、あくまで年収が3000万円以上ですよ。

 

年収が1000万円以下の人は、残念ですが時間と労力を使って工夫して資産形成しないと、相当効率が悪いです。

 

 まぁ、それでも「サブリース王に俺はなる!」って方は別にかまいません。本人の意思なので。

 

ただ、客観的な数値で判断すると、効率が悪い資産形成方法だよと述べているだけです。

 

 さて、使い方次第で毒にも薬にもなる諸刃の剣のサブリースですが、その中でも今回問題となっているのは「逆ザヤサブリース」です。

 

 「逆ザヤサブリース」とは、入居者からもらう家賃よりもサブリース業者がオーナーに支払う家賃の方が高いという問題です。

 

通常のサブリースは、入居者からもらう家賃の10%程度をサブリース料として差引き、残りの90%をオーナーに支払うなど「入居者からもらう家賃>オーナーに支払う金額」という形になります。

 

たとえば「家賃10万円・サブリース賃料9万円」というように、入居者から10万円もらって、1万円をサブリース業者が差引いて、残りの9万円をオーナーに渡すという感じです。

 

 「逆ザヤサブリース」になるとこれが逆転し、「家賃9万円・サブリース賃料10万円」となり、業者が1万円損してしまう状況となります。

 

 さらにひどくなると「賃料5万円・サブリース賃料10万円」などと、月々の業者の損失が5万円になってしまうなんて大きく「逆ザヤ」になっているものもあります。

 

「これがなぜいけないのか?」「業者が損してでもオーナーを助けてくれるんだから、いいじゃん!」

 

って思ったらいけません。

 

 この「逆ザヤサブリース」には2点問題があります。

 

 1つ目の問題は、事業の継続性です。

 

 当たり前ですが、月々損失が出るサブリースを未来永劫ずっと続けることなんてできませんよね。

 

損失を出し続ければ、サブリース業者が倒産するわけで、そうなればサブリースは終了となります。

 

倒産しないためには、サブリース賃料を、入居者から実際にもらう賃料まで引き下げる必要が出てくるわけで、結局、どこかのタイミグでサブリース賃料が下がるわけです。

 

 かの有名なレオパレス出身の方にこの「逆ザヤ」について取材したことがあります。

 

 界壁問題よりも以前の話ですが、レオパレスでは逆ザヤになっている物件を対象として、大規模な賃料引き下げorサブリース終了を促すプロジェクトを行ったそうです。

 

当時、赤字だった物件(とそのオーナー)を切り捨てることで、レオパレスの業績はV字回復したと、誇らしげに語っていました。

 

(レオパレスの株主さんがこの業績回復のやり方を倫理的にどう評価したのか、個人的には気になるところです。)

 

まぁ「逆ザヤ」だと、遅かれ早かれそうなる運命なんですよね。

 

 2つ目の問題は、割高に買わされることです。

 

投資物件は通常、利回りを見て購入するものであり、サブリース賃料が高ければその分、物件価格を上げることができるからです。

 

例えば「利回り10%」の物件を買いたいという投資家がいたとして

 

家賃5万円(年60万円)の場合、利回り10%だと、売買価格は600万円となりますが

 

家賃10万円(年120万円)の場合は、売買価格は1200万円となるわけで、一気に2倍の値段をつけることができるわけです。

 

 かぼちゃの馬車事件の時も、これと同様な手口で、業者が、サブリース賃料9万円くらいで高利回りの物件を売りさばいていましたが、

 

実際の入居者から賃料を聞いてみると、だいたい半分の4万円台だったため、逆ザヤが大きく、かぼちゃの馬車は早々に倒産してしまいました。

 

 ちなみに、かぼちゃの馬車の場合、入居者との賃貸借契約書の金額はちゃんと10万円と逆ザヤにならないように書類上は作成し、契約書とは別に「賃貸借契約書の家賃9万円ではなく4万円とする」というような覚書を締結していました。

 

まぁ、覚書だろうとなんだろうと、逆ザヤには違いないんですけどね。

 

 かぼちゃの馬車の場合、本当の家賃で計算すると5000万円以下になるようなシェアハウスを1億円以上で売っていたので、なかなかの割高っぷりでした。

 

 そんな「逆ザヤサブリース」問題に終止符が打たれようとしているのです。

 

全国賃貸住宅新聞の9月25日付の記事にあったのですが、東京地裁で「逆ザヤを説明しないで売ったら違法」で「賠償命令」が出たとのことです。

 

いや、これすごいですね。

 

 この判決のポイントは2つです。

 

1つは、売買時に「逆ザヤ」であることを説明しない場合「説明義務違反」とされたこと。

 

もう1つは、損害額は「本来の家賃で計算しなおした物件価格と割高で買わされた価格の差額」と算定されたこと。

 

 上で述べた例でいうと

 

家賃10万円

利回り10%

売買価格:1200万円

 

で購入した投資家に対して、本当は家賃が5万円だということを告げなかった業者に対して、

 

家賃5万円(年60万円)

利回り10%

売買価格:600万円

 

で計算しなおした600万円との差額を損害賠償額とするということです。

(金額は例です。)

 

 今回の記事では「入居者の賃料は原則●●円」と記載されていたが、実際は大きく下回る金額だったとのことです。

 

たぶん、業者的には「原則」って書いてあるじゃん!「原則」なんだから「例外」もあるよね~って感じだったのかもしれませんが(勝手な予想)

 

今回については既に入居者が存在していて、その賃料が、原則通りではなかったため、それをちゃんと説明しなかったから、説明義務違反だと認定されたのでしょうか。

 

これは裏を返すと、空室の物件であれば周辺の家賃相場が5万円でも(今は誰も住んでいないので)原則10万円の家賃ですと言えば、割高な金額設定をする余地が残っているということです。

 

なぜなら、今回の判決はあくまで「説明義務違反」を認定しただけで、割高であることは別に法律違反ではないからなんですよね。

 

正しい情報をもらったうえで、割高でも購入すると本人が納得しているのであればそれはそれでよいということなのです。

 

 そういう意味で、転売ヤー問題と同じで、法律は違反していないけど商売として倫理的にどうなん?ってことについて言及したわけではありませんので、あしからず。

 

 ちなみに今回の報道では、サブリース賃料での利回り9%台の物件「価格約1000万円」を実際の家賃(5万円)で利回り9%台に計算しなおした金額「約600万円」が正しいとして、差額の約400万円が損害額となったそうです。

 

 もしこれが都内のそこそこ好立地の場所の物件だとしたら、この投資家さんは、高騰の激しい都内の区分を利回り9%でゲットしたことになるわけで、結構お得な感じになるわけです。

 

たぶん600万円で売り出せばすぐ売れますしね。

 

 まぁ、適正価格600万円で家賃5万円っていう時点で、23区内のどのへんか、不動産投資家ならピンとくる気はしますが。

 

とりあえず、この記事の投資家さんたちは逆ザヤ物件をどうにかできそうで良かったですね。

 

 そして、サブリース賃料と実際の賃料が大きくかい離して逆ザヤになっている物件を持っている人にチャンス到来です!

 

この判決を真似して、二匹目のどじょうよろしく、業者に対して訴訟を起こして、自分たちの低利回り区分を、一気に高利回り物件に変えてやるぜ!みたいな(不勉強なために割高物件を掴まされた)投資家も出てくるかもしれません。

 

一番悪いのは業者ですけど、自分の不勉強は棚に上げて訴訟できる肝が据わった人であれば、これはかぼちゃの馬車徳政令以来のチャンスだと言えます。

 

いやー、モラルハザードですね。

 

 っていうか、そもそもちゃんと勉強していれば、こんな(周辺相場家賃とかい離している)物件を買うことないはずなんですけどね。周辺相場なんてSUUMOで検索すれば一発でわかるし。

 

 ということで、コツコツと真面目に勉強し、ちゃんと周辺相場も調べ、現地調査もしているような、努力を怠らない投資家である本メルマガの読者の方には、あまり関係のない話ですけれど、今後の逆ザヤサブリースの在り方に一石を投じる判決だったので取り上げてみました。

 

 再度、言いますが、サブリースは使い方次第で毒にも薬にもなる諸刃の剣です。

 

素人がやすやすと使いこなせるものではありませんから、用法容量を守ってお使いください。

 

でわでわ。

 

不動産の小口化ってよいのか真剣に調べてみた。

 こんにちは。姫ちゃんです。

 

 通常、不動産投資は、アパートやマンションなどの賃貸用不動産を購入し、それを賃貸して家賃収入を得て最終的に売却し、売却益(売却損)を得るという感じの流れになるわけですが、

 

世の中にはリート(REIT)やリート以外の小口化された不動産ファンドに関する投資商品が存在します。

 

 で、そういうのって、本当にもうかるのかなぁって質問を受けたので、詳しく調べてみました。

 

 まず、結論から言うとリートや不動産ファンド商品は

 

「気軽にできるが、たいして儲からない」

 

「資産形成には使えない」

 

「税金対策にはならない」

 

「不動産を所有しないが、所有した気分を味わえる」

 

 

というものだということがわかりました。

 

 次の表に、実物の不動産投資、不動産ファンドの小口商品、リート、株式(個別銘柄)の違いを表にまとめましたので、ご参照ください

 

 

【不動産投資・不動産ファンド・リート・株式の違い】

ざっくり、ポイントを解説します

 

■インカムゲインとキャピタルゲイン

 

まず、投資における儲けは「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」に分類されます。

 

「インカムゲイン」とは、所有している間の家賃収入や、利息、配当金、株主優待などを表します。

 

また「キャピタルゲイン」とは、売却価格から購入価格を差引した、売却益のことを表します。

 

この「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の両方を合わせて、最終的に投資した金額以上に儲けが出ていれば、その投資は意味がある投資であると考えます。

 

 不動産投資は、物件を見極めることが出来さえすれば、所有している間の家賃収入と、最終的な売却益の両方を得ることが可能な投資と位置付けています。

 

 その見極めは大変な困難を伴うのですが、株式と異なりテクニカルな値動きが少ないため、ファンダメンタルだけで、おおよそのキャピタルゲインを予測することが可能だからです。

 

 それに対して、株式(個別銘柄)は、たとえ企業のファンダメンタルズがどんなに良くても、テクニカルで購入タイミングを失敗してしまえば、損切が必要となるなどキャピタルロスのリスクが存在します。

 

 株式の見極めも不動産同様に大変困難を伴うでしょう。株式で成功している投資家は穴があくまで四季報を読み込み、有報を読み込んでいるし、企業の現地調査までやっていることでしょう。

 

そこまですれば株の勝率も不動産同様に上がるかもしれませんが、それでもファンダメンタルズ中心に動くのかテクニカルの影響を受けるのかの違いは大きいと思います。

 

 不動産ファンドはインカムも小さく、キャピタルゲインはゼロ、そのくせキャピタルロスのリスクは存在するという、基本良くてトントンという商品です。

 

 リートは、値上がりする可能性はあるものの、値下がりする可能性もあり、そもそもテンバガー(10倍になる銘柄)を見極められるかどうかは微妙な商品です。

 

 

■資金効率

 

 投資の資金効率については、実物の不動産投資だけが「融資の利用」が可能であり、効率が高いです。

 

株式(個別銘柄)や、リート、不動産ファンドはあくまで自己資金での購入が基本となりますので資金効率は極めて悪いです。

 

 なお、表には記載していませんが、FXなどの証拠金取引であればレバレッジを利かすことが可能なので、資金効率は上がります。

 

 いずれにせよ、少ない元手で大きく儲けることが可能という点では実物の不動産投資の右に出るものはいないと言えます。

 

 

■節税メリット

 

 節税のメリットでいえば、不動産投資と株式に軍配があがります。

 

不動産投資は、そもそも事業経営なので、様々な経費の計上が可能であり、相続税対策、所得税還付などたくさんの節税メリットを享受することが可能です。

 

株式投資は、サラリーマンの給与とは別の枠で課税され、その税率は約20%と低いため、所得税が40%や50%といった高所得者であればあるほど、お得と言えます。

 

 リートについては、ほぼ株式(個別銘柄)と同様に分離課税となりますが、控除などが使えなくなる分ちょっとお得感は減ります。

 

 節税でいえば、不動産ファンドは最悪です。

 

不動産ファンドによる収益は雑所得に分類され、収益が20万円を超えると、サラリーマンの給与所得の税率と同じになるからです。つまり、税率が50%の人は50%で課税されるということです。

 

ただ、どの投資でも言えることですが、「節税ばかりをウリにする投資」については注意が必要です。

 

「節税ばかりをウリにする投資」は、節税以外にメリットがなく購入すれば損する確率が高いからです。

 

「節税」はあくまで投資の副産物であり、「節税」が目的になって、儲からないモノを購入するのは本末転倒です。

 

 

■購入の手間

 

 購入の手間については、不動産ファンド、リート、株式(個別銘柄)は楽々です。

 

今はネット証券などがたくさん存在しますので、口座を開設してしまえば、あとはスマホで簡単に売買できます。

 

不動産ファンドもネットだけで購入可能など、お手軽さをウリにしています。

 

 それに対し、実物の不動産投資は、不動産屋まで契約しに行ったり、有給を取得して銀行に行き、融資を依頼したり、役所に行って公的書類を用意したりと、何かと手間がかかります。

 

 まぁ、本当にお得な物件は、有給をとって会社を休み、自分の足で現地や不動産屋や銀行や役所に行く人しか買えないので、仕方ないことなのですが・・・

 

 なお、上記の面倒な作業のほとんど全てを業者がやってくれて、手付金も20万円や30万といった、めっちゃ少ない金額しか支払わなくてよい物件は、儲からない物件の可能性が高いので気をつけましょう。

 

 実物の不動産は手間がかかるのが当たり前です。その手間を面倒だと思う人は株式をやる方が幸せになれます。

 

 

■必要資金

 

 必要資金については、少ない順に、不動産ファンド、リート、株式(個別銘柄)、不動産投資となります。

 

不動産ファンドやリートは、数万円程度の小さな金額から始められることをウリにしていますので、当然といえば当然です。

 

 最近は株式でもミニ株などありますが、様々な個別銘柄を買うとすればどうしても、50万円や100万円単位の資金が必要となってしまいます。

 

 不動産投資は、最低でも物件価格の1割~3割程度の自己資金が必要となりますので、500万円や1000万円程度の資金がないと投資をスタートできません。

 

 この必要資金の高さが不動産投資のハードルの高さといえるでしょう。

 

もちろん、200~300万円で地方の築古戸建を買うなど小資金でも始められる手法はあるものの、それでも株式投資よりも絶対的な資金は必要となります。

 

 

■期待される収益の大きさ

 

 この期待される収益の大きさとは、投資を継続できれば「何年くらいでどれくらい儲かるのか」を記載したものになります。

 

 一番収益が大きいのは株式(個別銘柄)でうまくテンバガーを買い続けられれば「10年で億単位」の収益を得ることができます。

 

 ただし、あくまでテンバガーを買い続けることができればという前提条件付です。10年間、株式マーケットを見続け、銘柄を入れ替えながら、拡大する必要があります。

 

 次に収益が大きいのは不動産投資です。

 

 不動産投資は、融資の返済が終わる頃には「30年で億単位」の収益を得ることができます。これも、あくまで最初に絶対に値下がりしないエリアの物件を購入することが前提条件です。

 

 ただ、株式と異なるのは不動産の場合、きちんと見極められれば、その後は家賃収入を得ながら借金を返済するだけで、30年後には億単位になるということが確定していることです。

 

ここが、株式より不動産投資の方が楽な点であり、難しい点でもあります。

 

 というのも、不動産は株式に比べて途中での撤退がとても難しいからです。

 

自己資金で投資をしている株式の場合、誤った銘柄を購入しても損切りすることで撤退できます。

 

そして、それほど大きな損失を受けずに撤退できれば、すぐに別の銘柄に再投資が可能です。

 

 しかし、融資を用いる不動産投資の場合は、借金が残ってしまい売却できないため、損失が拡大し続けるのに損切りできないという事態に陥りやすいからです。

 

 不動産投資は簡単に撤退できないため「とりあえずやってみながら考える人」には不向きの投資です。

 

買ってしまったらお終いなので、買う前にしっかりと見極めることが重要なのです。

 

 リートについては株式投資と近いものの、過去の投資実績を見ているとあまりテンバガーがなくせいぜい投資金額の2倍程度というのが多いようです。

 

 なお、不動産ファンドについては、そもそも投資金額が小さく、せいぜいお小遣い程度にしかならないため、資産形成の手段としては使い物にならない感じです。

 

 

■優良案件探しの難易度

 

 儲かる物件、儲かる株式(テンバガー)を購入するためには、圧倒的な学習と研究のプロセスが必要となります。

 

「優良案件探しの難易度」は、そのプロセスの難易度を表しています。

 

 実物の不動産投資では、1000件も2000件も物件資料に目を通して、その中から50件、100件と現地調査を行い、財務3表(B/S、P/L、C/F)に基づく30年シミュレーションを作成して、インカムゲイン・キャピタルゲインの可能性をしっかりと見極める必要があります。

 

 株式(個別銘柄)も、四半期に一度、四季報を熟読し、様々な指標を基に個別企業をピックアップし、その企業の有価証券報告書やIR資料、必要なら現地調査や製品調査などを行い、テンバガーの可能性を見極める必要があります。

 

 不動産投資も株式投資も、定量的な知識から定性的な知識まで必要な学習を行い、分析・調査を行うために膨大な時間を必要とします。

 

 そういう意味で、めちゃめちゃ大変です。

 

というか、そういう大変な学習や調査をしないで、投資で勝つことはありません。

 

 それに対し、リートはそもそも銘柄数が少なく、分析したところでテンバガーがそもそも存在しない可能性もあるため、その中からテンバガーを見つけるのが難しいという意味で、めちゃめちゃ大変です。

 

 また、不動産ファンドにいたっては、業者が提案している商品の中からしか選べないため、その中に優良案件がある(なんて甘い世界ではない)可能性は極めて低いという意味で、めちゃめちゃ大変です。

 

まとめると

 

不動産投資と株式(個別銘柄)は、「当たり(儲かる物件・銘柄)は存在するが見極めがめっちゃ大変」

 

ということであり

 

不動産ファンドとリートは「そもそも選択肢が少なすぎて当たりが入ってるのか不明」

 

ということになります。

 

いずれにせよ、どの投資をするにしても「当たり」を探し出すのはめっちゃ大変ということになります。

 

 

■不動産投資をやった気分になる

 

 実は、不動産ファンドの最も大きなメリット?は、「不動産投資をやった気分になる」ということです。

 

あくまで「気分」です。

 

 不動産投資は、大変な学習をし、調査や分析をし、大きな借金を背負って、物件を購入するわけで、手間も苦労も半端なくかかります。

 

 不動産ファンドは、それらすべてをやらずに手間なしで行えます。

 

面倒な学習もなく、調査や分析に土日を使わず、有給を取得して役所や銀行に行かず、大きな借金を背負わずに「不動産投資をやった気分になれる」のです

 

 不動産ファンドは、それを最大のウリにしています。

 

つまり不動産ファンドは「不動産投資をやった気分」を味わう体験型アミューズメントと解釈できるのです。

 

そのため、不動産ファンドの商品は、ホームページに「物件写真」「物件情報」「周辺のエリア情報」など、その不動産について自分で分析・現地調査したかのような気分が味わえる情報がたくさん掲載されており、それを見て投資することができます。

 

 本来、不動産投資は、相手が出してきた情報だけで投資判断せず、自分自身で現地を調査し、自分の目で見極めるというものなのですが、そういう苦労をしたくない人がターゲットだからお手軽に仕立てられているのです。

 

 でも、どこまでいってもしょせん「不動産投資をやった気分」を買っただけです。

 

運よく値下がりせずに、元本が返ってきたとしても、その商品を所有している間の配当はせいぜい小遣い程度。

 

お金を出しているのに、物件の所有権を取得できないため、不動産ファンドが手に入れいている何億円ものキャピタルゲインをもらうこともできません。

 

 もちろん例外もありますが、自分が投資している不動産ファンド商品の対象物件が、値上がりしても利益はもらえない一方で、値下がりした場合は、元本保証されないのです。

 

そのかわり「不動産投資をやった気分」を味わうことができるのです。

 

まぁ、キャピタルロスが出たところで、投資金額がせいぜい数万円から100万円程度の人がほとんどなのであきらめもつくという感じでしょうか。

 

 これは不動産ファンド側から見ると、キャピタルロスが出ても一人当たりの金額が小さいため、集団訴訟を起こされるリスクも小さく、銀行融資よりも圧倒的に有利に資金調達できるというメリットとなります。

 

物件のキャピタルロス(値下がり)のリスクは、出資者に持ってもらい、元本割れしたら返済しなくてもよい資金を調達でき、転売が完了すればキャピタルゲインを得られるわけですから、うまい商売を考えたもんです。

 

 

■まとめ:結局投資するならどれ?

 

 今回、不動産ファンドとリートについて色々と質問されたので、調べてみたのですが

 

やはりせっかく投資をするなら実物の不動産投資か、株式投資だなとあらためて思いました。

 

 株式はさすがに投資の王様だけあって、様々な税制優遇を受けられますし、情報量も多いためやりがいがある投資だと思います。

 

 不動産投資も物件の見極めは大変ですが、確実に資産形成を行える王道ですし、税金対策も多数存在し、やりがいがある投資だなと思います。

 

 リートは、株式投資の感覚で不動産に関わってみたいという人であればいいですが、わざわざ好んで投資対象の選択肢を狭める必要はないかなぁって思います。

 

 不動産ファンドは、ファンド側はメリット盛りだくさんだけど、買う側はどうでしょうね。税金対策もできないし、儲かってもせいぜい小遣い程度ですし。うーん、投資というより「やった気分」を味わうエンタメとして買う分には良いかなぁって思います。安いしね。

 

 

でわでわ。

 

2017年から2022年までの物件数推移を可視化してみた

 こんにちは。姫ちゃんです。

 

 

 2023年になっても相変わらず高止まりしている不動産投資マーケットです。

 

 

ごく最近は少し価格が落ち着いてきていますが、それでもまだ高いので、賢明な投資家の方々は、しばらくは買えない日々が続くでしょう。

 

 

 最近の都内では、戸建や小規模アパートなどで買いやすい価格帯の物の転売が増えているように感じます。

 

 

今日も23区内の物件で、以前5530万円で売られていた物件が、6980万円で転売されているのを発見しました。

 

 

 まぁ、そんな状況でも、不勉強な投資家がドンドン高値掴みしてくれるので、倫理観の低い業者がドンドン高値で仕入れて転売するわけで、そんなに高くても売れているから値下がりするわけないのです。

 

 

 みんなが大好きな(大嫌いな)転売ヤーと同じ構図ですね。

 

 

プレステ5は増産されるそうなので、転売ヤーが利益を取れなくなるでしょうが、土地は増産できない限定品なので、いつまでたっても転売ヤーが活躍するマーケットのままです。

 

 

それからプレステ5のような工業製品は定価がありますが、土地には定価がないというのも転売ヤーが暗躍できる要因なのかもしれませんね。

 

 

 不動産価格を下げたいなら、みんなで買い控えすればいいんです。転売ヤーから買わなければ、少なくとも転売利益分は値下がりしますよ。

 

 

 閑 話 休 題

 

 

 さて話を戻すと、ここ数年の不動産マーケットは、条件の良い高利回り物件が減少し続けているわけですが

 

 

「どれくらい物件が減少しているのかをまとめてみた」というのが本日のお題です。

 

 

まずは、下記のグラフを見てください。

 

 

【23区内高利回り物件出現件数】

 

 このグラフは、姫ちゃんの会社で、ほぼ毎日手動で取得し、人間の目でチェックをして記録している、東京23区内の「まともな物件」の新規登録数の推移をまとめたものです。

 

 

ここでいう「まともな物件」とは、23区内、再建築可能、所有権、利回り8%以上という、とりあえず検討しても良い最低ラインを超えている物件という意味です。

 

 

 このグラフを見るとわかるとおり、2017年には東京23区内で検討対象となる物件が年間185件あったのが、2022年には89件と半分以下に減少しています。

 

 

2018年にかぼちゃの馬車でスルガ銀行が融資不能になり、2020年と2021年にはコロナによって、そもそもの物件数が半減してしまいました。

 

 

で、コロナもそろそろ下火になって、経済を盛り上げようとしている矢先に、ウクライナ侵攻が始まったせいで

 

 

ますます契機が悪化し、結果、新築から中古まで幅広く不動産の高騰を招いています。

 

 

 特に肌感覚としてはウクライナ侵攻がマーケットにトドメを刺したと感じています。

 

 

ウクライナ侵攻により海外の金利が上がり、為替に影響を与え、物価が上がり、日本の金利も上がると、世界の経済は繋がっているんだなぁとしみじみ思います。

 

 

 まぁ金利が上がって、融資が引き締められれば、不動産の価格は落ち着くでしょうから、悪いことばかりではありませんがね。

 

 

 さて、次は23区別の物件出現数を見てもらいます。

 

 

【23区別 高利回り物件出現件数】

 23区別では、足立区、板橋区、練馬区、江戸川区、葛飾区、杉並区、北区などで8%以上の物件が1/2~1/5以下に減少しています。

 

 

この8%というのが最低ラインなので、好立地での高利回り投資はかなり狭き門になっているというのがわかると思います。

 

 

 ちなみに、レオパレスの本社がある中野区だけは「レオパレス界壁問題」の発覚で2019年以降、高利回り物件が異常に増えています。

 

 

 この増えた分は全部レオパレスです。

 

 

 というのも、2019年くらいから、多数の金融機関でレオパレスは融資不可となったため、その影響で中野区にたくさん存在したレオパレスが投げ売りされたからです。

 

 

 融資がつかないので、現金で数千万円~1億円くらい払える人しか中古のレオパレスを買えなくなり、結果としてレオパレスは利回りを高く(価格を安く)しないと売れなくなってしまったからです。

 

 

もちろん、中野区以外に存在するレオパレスも同様に投げ売りされています。

 

 

 この時期はレオパレスでも融資がつく稀有な金融機関と仲良くしている人や、現金を持っている人のような一部の投資家さんしかレオパレスを購入できていません。

 

 

初心者がチャレンジしてもかなり難しいのでレオパレスの利回りが高いからと言って、安易にマネしないようにしてくださいね。

 

 

 それから、この表には23区中22区しか表示されていません。

 

 

というのもその“区”では、2017年から2022年まで丸6年、物件の記録を取り続けていても「まともな物件」が1件も出なかったからです。

 

 

その区とはいったい“何区”でしょうか?

 

 

 正解は、ご自身で調べてみてください。

 

 

 なお、その“区”で不動産投資をしたいとお考えの方は、投資手法をしっかりと造りこんでおく必要があります。

 

 

その“区”の場合は、利回りが低すぎて、基本的にキャピタルゲイン狙いの投資しかできないため

 

 

キャピタルロスが発生しない物件を吟味する必要がありますが、正直、素人には無理です。

 

 

仮にうまくキャピタルゲインが得られたという人がいたとしても、

 

 

再現性は低いので、安易にマネしないよう、ご注意ください。

 

 

 

 ということで、実際に可視化すると、やはりマーケットは厳しい状況になっているんだなぁということがわかりました。

 

 

 こんな状況ですので、安易に低利回りの物件に手を出さないように気を引き締めていきましょうね。

 

 

低利回り物件を買うくらいなら、何も買わずに、貯金してください。

 

 

でわでわ。

2021年はみんな買えなかった!コロナと良い物件の関係とは?

 

 

 こんにちは。姫ちゃんです。

 

 連日、新規感染者数が高止まりしているコロナですが、みなさまは元気にお過ごしですか。

 

姫ちゃんのまわりでも、ちらほらと感染している人が増えていて、他人事ではないなと日々実感しています。

 

 まだまだピークアウトまではもうしばらくかかりそうな気配のコロナですが、2020年および2021年にかけて

 

コロナの増加傾向と投資用の一棟モノ不動産の関係について、データが出そろってきたのでまとめてみました。

 

 まず前提として、新規感染者数は東京都の新型コロナウイルス感染症陽性者数のサイトより、東京都全体の陽性者数の日次データを月次集計したものを用いました。

 

東京都の陽性者数データは2020年の1月14日からしか記録がなかったため、2020年1月のみ半月分のデータとなります。

 

 また、一棟モノの投資物件の新規登録件数(=物件出現件数)は、弊社にて日々、確認しているレインズ掲載データを基に、「東京23区内」「利回り8%以上」「所有権」「再建築可能」という書類スペック上合格ラインを超えたものの数となります。

 

あくまで書類スペック上の合格ですので、現地に行ってみると、ボロボロだったり、風呂なしだったりという、実際には使い物にならない物件も含まれたデータです。

 

まぁ新型コロナウイルスの感染者数と儲かる物件数を比較するだけなので、傾向を見ることは可能です。

 

また、物件の利回りを「8%以上」としたのは、東京23区内で投資用ローンを引いて購入した場合、ちゃんとキャッシュフロー(C/F)がプラスで儲かる最低ラインだからです。

 

前提を踏まえて、下記URLに掲載された表を見てみてください。

 

 

 

 表を見ると一目瞭然ですが、2021年の1月及び8月にはコロナ新規陽性者数が増加し、それに反比例する形で物件数が減少していることがわかります。

 

感覚的にもコロナが増えると、結果として投資物件も減るという関係はありましたが、やはりその感覚はあっていたようです。

 

 またこの表をからは、2020年の10月くらいまでは平均して月に60~70件ほどの新規物件が出ていたのですが、2021年には月に20~30件程度に半減していることもわかります。

 

コロナで景気の悪かった2020年に輪をかけて、2021年には本当に良い物件が激減していたということが裏付けられるのです。

 

 毎日、物件を探し続けている姫ちゃんたちの感覚でも、本当に2021年は良い物件が出ませんでした。

 

全体的に物件が高騰し、一部の高利回り物件に買付が集中するのでほとんどの人は買えませんでした。

 

 2021年は「良い物件が出ない」というお客さんたちの怨嗟の声が日々届いていました。

 

 姫ちゃんの所に来るお客さんは、ほとんどの人がみなさん真面目な努力家なので「買えないのは自分の努力が足りないのでは?」と思い、一生懸命に動いていました。

 

 本当にえらいです。ただ、みなさん安心してください。

 

統計を見ればわかるように、2021年は「良い物件を買えないのが当たり前の一年」だったのです。

 

けっして、みなさんの努力が足りないからではありません。

 

 2021年はみんな買えない年だったのです。

 

 社会情勢の問題で物件が高騰しているときに、努力しても空回りして疲弊するばかりです。

 

果報は寝て待てといいます。

 

あせらず自己資金を貯めつつ、勉強して次のチャンスが到来するのを静かに待ちましょう。

 

でわでわ。

23区内で最もコロナ感染者割合が少ない区とは?

最近、コロナの感染者数が減少し始めたらしい東京都ですが

 

現時点で、23区内で最もコロナ感染者数を出している区はどこでしょうか。

 

そして、コロナが少ない、安全な区はどこでしょうか。

 こんにちは。姫ちゃんです。

 

やっと、オリパラも終わって日本は静かになるのでしょうか。

 

最近では、コロナが少しずつ減ってきているものの、

 

それでも東京都は相変わらず2000~3000人くらいの新規感染者数を数えています。

 

 東京都の累計感染者数も30万人を超えており、人口の数パーセントは感染が確認されたわけで未確認の感染者がその何倍もいるとすると、10人中1~2人は感染しちゃってる可能性もありますね。

 

 ふっと、東京23区内で最もコロナ感染者数が多い区ってどこだろうと思ったので調べてみました。

 

単純に、感染者数だけを見ても意味がないので、各区の人口と感染者数を割合にしてワースト区を見てみました。

 で、栄えあるワースト1位は、日本屈指の繁華街である歌舞伎町を有する新宿区です!

 

また、ワースト2位は、こちらも日本屈指の繁華街を有する渋谷区です。

 

この2区は他区を引き離し、人口の4%超が感染しているという結果になりました。

 

 次に3位が港区、4位が池袋をもつ豊島区、5位が目黒区、6位が中野区、7位が中央区、8位が台東区です。

 

これらの区は感染者が人口の3%を超えています。

 

 港区や中央区などは都心ですし、池袋のある豊島区なども繁華街なので高いのはなんとなく予想できます。

 

意外だったのが高級住宅街などもある目黒区です。

 

また中野区や台東区は地元の繁華街がありますし、都心へのアクセスも良いので高いのかもしれません。

 

 次に多いのが9位の世田谷区です。ギリギリ3%は超えなかったものの感染者割合は2.9%とかなり高い水準です。

 

10位の品川区、12位の千代田区などは都心ですし、杉並区も都心へのアクセスが良いため感染者割合は2.6%超と高めにでているのでしょうか。

 

 その後、13位~17位は感染者割合が2.5%台で、荒川区、葛飾区、大田区、墨田区、北区

 

18位~21位で感染者割合が2.4%台で、江戸川区、板橋区、江東区、足立区

 

 そして、23区内で最も優秀なのは、どちらも2.2%台をキープしている文京区、練馬区です。

 

 新宿(1位)、渋谷(2位)、池袋(4位)などの繁華街や、港区(3位)、中央区(7位)、千代田区(12位)、品川区(10位)など都心エリアが上位に来るというのは予想できていましたが

 

意外だったのが、高級住宅が多い目黒区(5位)や世田谷区(9位)の方が、足立区(21位)よりも圧倒的に感染者割合が多かったことです。

 

 2020年のコロナが始まったばかりの時に、東京23区東側のパチンコ店や飲み屋さんが叩かれまくっていましたけど、それでも、足立区は感染者割合が2.4%に留まり21位でした。

 

 また、なんとなくしっかりしたイメージを持つ文京区は、やはりイメージ通りしっかりしていました。

 

そんな文京区と互角の練馬区も住宅街としてコロナ感染者割合の低いとても優秀なエリアでした。

 

 23区の人口に対し、コロナ感染者割合で見ると、文京区と練馬区が最も安全な地域ということがわかりました。

 

でわでわ。